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[コメント] グラディエーター(2000/米)

観て損をしたとは思わないが、正直いって、観なくてもよかったなと思える映画。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そう悪い作品ではなかったのだが、スペクタクル大作とした事前宣伝からみると、いささか拍子抜けの感はいなめない。戦場のシーンはそれなりに迫力があって、ここでは、CGも戦場の俯瞰図や遠景にとどめた使用で、まあそんなにぼろもださずにすんだと思う。

しかしそのCGをローマ市内の雑踏や、コロシアムの巨大さを見せるのにいささか多用しすぎてかえって妙な違和感を感じさせている。他にも、戦闘シーンでみせた意図のよくわからないストップモーションもどきのカメラワークなど、あまり成功したとは言えないのではないか。

1億ドルの製作費をかけたのなら、ここまでCGに頼らずにもっとエキストラを大量に動員したり、巨大セットを丁寧につくるなどした方がよかったと思う。

ストーリーは、基本は王道をつらぬいて、古典的でもあるがそれなりに味のある展開であったが、結局ラストは、剣闘士に戻された主人公と敵役の皇帝との一騎打ちとは、ちょっと無理があるように思えるし、こんなんでは「スペクタクル大作」の名が泣くというものだ。

この辺のしょぼさが、この少し前の日本の失敗作『梟の城』を思い起こさせる。さすがにあれよりはだいぶましだが、それでもまあ似たようなものかもしれない。そういえば、主役の演技だけは妙に光っていたのも似ている。

(評価:★3)

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