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[コメント] 音楽(1972/日)

ハサミと黒沢のり子の女体を重ねたカットを繋げてクレジット。増村らしい、強い、現実離れした造型(特に口調)は、主役の二人、精神科医の細川俊之と患者の黒沢に顕著だ。
ゑぎ

 しかし、細川の助手、藤田みどりのキャラも面白い。とても意地悪で、ベタベタしている。この人をもっと絡ませても良かったと思う。黒沢の兄を高橋長英、現在の恋人役を森次浩司が演じるが、この二人は面白みがない。黒沢の田舎での許婚で、高校時代、強姦した男が三谷昇。三谷の高校生姿には笑う。

 カッティング・イン・アクションの部分も多く、ずっと気にして見ていたのだが、わりと自由に繋いでいる。『女体』(1969)ほど意識させない。これは、演出のこだわりの有無ではなく、時間(手間暇、つまりコスト、製作費)の問題だったのかも知れない。

 病人や死人や不能の男には感じるが、普通の男(いかにいも健康そうな森次!)には感じない、という原因の、謎解き話については、帰結の理屈も、特にぶっ飛んだものとは思えない。こういう題材だからこそ、もっと不謹慎な演出で弾けて欲しい。

#高橋長英のアパートの近くの高架下?トンネルに道頓堀劇場のポスターあり。

(評価:★3)

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