『時計じかけのオレンジ』のパロディ、というかオマージュというか、みたいな感じじゃん。更正施設に送られても、更正できなかったアレックスって感じだろうか？あの、自分の家に火をつける時の音楽だって『時計じかけのオレンジ』で使用されてた音楽だったし。

少なからず意識してしてるんだろうね。他にも、豚の被り物、って所で『地獄のモーテル』（未見）とか？って、本編には登場しないけど。

いやー、しかし、ぶっち切れてるね。っていうか、ホント凄いよ、この少年。よくもまぁこんなにがんばりますなぁ。

ビデオパッケージの強烈な印象があるけど、本編にあれほどのインパクトがなくて残念。確かに面白いのだけど、もっともっとブラックにして欲しかった。それこそ『カルネ』の様に。

友人との約束が壊されたり、ダメ親父に悩んだりしながら、「あの女が悪いんだ、あの女が」という姿をブラックコメディとして描く姿勢は良いんだけど、なんか思いっきり笑い飛ばせるか、というとそうとは思えない。って、まぁ早起きして、頭がぼーっとしてるままで見た、ってんもあるんだろうけど。

やっちゃうなら、最初は普通だった悪ガキの主人公が、少しずつ『カルネ』の親父化していく姿が、もの凄く強烈に描かれてるのが見たかったなぁ（不謹慎？）。そうすりゃ最高の気狂いブラックユーモア映画になれた気がする。

けど、やってる事はかなり好きだし、クライマックスの、夫人を殺しに行き、家中に「ＰＩＧ」と血で落書きされた光景はゾクゾクした。