[コメント] アメリカン・ヒストリーX(1998/米)
人種差別の「否定」を、「肯定」を描写することで訴えかける危険な作品。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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モノクロでの描写は、白人の視点から見た現実ではない彼らの心象で、白人の黒人に対する差別・暴力などが正当化されて表現されている。結局カラーの描写で、差別否定のお決まりなラストへ向かうんだが、モノクロの描写があまりにも衝撃的なため、一層ラストの感動が増す。「肯定」を描く事で「否定」が強調された。監督さんの勝利。
この作品で、黒人差別をする白人にもそれなりの道理があって、怒りを潜ませている事が分かる。デレクの場合は、黒人にオヤジぶっ殺された怒り。その怒りを抑え、解決する事は簡単な事ではない。だが、ほっておけば怒りや憎しみが更に増していくのは必至。問題から逃避してばかりいては何も変わらんよ、と伝えてくる。「怒りは君を幸せにしたのか?」このセリフが、この作品を象徴しているし印象深い。
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