コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ナチュラル(1984/米)

ロバート・レッドフォード無しでは成功しなかったであろう。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







汽車に乗ったレッドフォードの表情から子供時代の回想シーンへ…

冒頭、少年がキャッチボールをしながら音楽が掛かるシーンがスローモーションで流れていく。このシーンは野球と言うものに出会った少年のときめきのようなものを表現したかったのだと思う。年を重ねても、そのときの感動は忘れられないと言ったような。思い出の中でそこだけが時間が止まるとでも言うような。記憶の美化作用とも言っていい。その後、幾度か使われるこの手法が掛け値なしに美しい。狙いに狙ってここまで成功したのも珍しい。

中盤は弱小チームのエピソードがコミカルに展開していく。監督のキャラクターが抜群で、ロイもチームも一進一退を繰り返しながら、映画は展開していき、ラストに進んでいく。

この爽やかな余韻を残す御伽噺にロバート・レッドフォードを起用したのは大正解だった。遠めから見ると皺も見えず青年のようだ。それに、フォームもとてもきれいだ。

奇蹟は、偶然の体を装って、起きるものなのかもしれない。それも最高の時と場所を用意して。それを冷めた見方しか出来ないのは、単なる想像力の欠如なのかもしれない。

ロイ・ホッブスの活躍した期間は短かったかもしれないが、多くの人に影響を与え、記憶に残る活躍をした。夢を与える仕事とはそういうことを言うのではないだろうか。そしてそれは野球に限らず、映画だってその役割を担っているのだろう。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ゼロゼロUFO[*] いくけん

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。