[コメント] 苺とチョコレート(1993/キューバ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ディエゴとダビド。ディエゴはゲイ(登場したときはかなり強烈な存在感を放ってます)であり、ダビドはゲイではなく普通に女性を愛する学生。互いに考える政治思想も根本から異なる。一見、全く対称ともいえる二人だが、映画の中でのその二人の触れ合いが面白い。最初はディエゴを敬遠していたダビドだが、次第に気持ちが互いに通じるようになってくる。時には異なる思想から意見を対立させるが、それでも二人の強い触れ合いを感じた。考えも性格も似ていない人間が友情で結びつく様が感動を呼ぶ。最終的にその思想のために国を去らなければならなくなったディエゴだが、最後二人で抱き合って涙を流すシーンを見ると、離れてもその絆は消えないだろうと感じさせられた。人間は全然違った性格でも理解し合えるということを感じた。違った人間を結びつける"何か"が友情だと思った。ゲイとゲイでない人間の間にも友情があって不思議ではないと思う。ダビドも始めは仕草などからディエゴを煙たがったが、だんだんと相手の心を感じて友情が生まれた。人間は心が重要で、同性愛者だとか人種だとかは関係ないものだと思った。(ものすごく臭いことを言ってしまった・・・)
この映画は、上に書いた二人の関係が非常に良く描かれているが、それ以外はあまり関係がないところもあった気がする。前半であった性についての話題はあまり必要性を感じない。自分はディエゴとダビドの友情物語を中心に見たからそう感じたのだが、何ならそれ一本に絞ってもう少し省いても良かったような感もある。二人の関係を見ていると面白いし、最後は感動もしたのだから。
あと、この映画はタイトルの雰囲気とは似つかない!苺はディエゴ、チョコレートはダビドを風刺した言葉だが(終盤の苺アイスとチョコアイスを交換するシーンに二人の繋がりを感じて良い。)、見る前は正直もっと甘い映画かと思ってた。だが、政治やら宗教やら絡んでいるので、タイトルのような甘さは感じられません。タイトルに惹かれて女の子が見たら、自分とは全然違った印象を持つような気がした。
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