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[コメント] シャンドライの恋(1998/伊)

言葉=意識の俎上から逃れて直接的に記憶に染み入るような見事な映像表現と、タンディ・ニュートンの繊細な演技との相乗効果。
ぐるぐる

ローマの古い屋敷で暮らす、人種も境遇も性別も異なるふたりの「出会い」を、らせん階段をキーにした室内シーンの積み重ねで内面のドラマとして描く繊細な小品。

ベルナルド・ベルトルッチ監督が、トスカーナの景観とリヴ・タイラーの旬を見事に切り取った前作『魅せられて』での美しく流れるような映像のあとで、これを作りたくて堪らなくなったというのはわかる気がする。

ただ、音楽の使い方には演奏表現ほどの冴えはなく、監督の世代を感じさせる古臭さも見えてしまう。アフリカンやクラシックが悪いのではないが、もっと内臓感覚的な要素があっても良かった気がする。

(評価:★4)

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