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[コメント] 刑事コロンボ 逆転の構図(1974/米)

伏線の張り方が周到なので、かなり楽しめる。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







切り貼りの脅迫状を作るときに出る小さなゴミとか、不自然に時間を置いて聞こえた2発の銃声とか、スラックスの焦げ跡とか、不動産屋の証言とか、刑務所出たての被害者の意外な羽振りの良さとか、写真集に写ってた被害者とか、免許証交付のタイミングの問題とか、時計の下のホコリの積もり方とか、構図が気に入らなくて暖炉に捨てられた写真とか、その他諸々。犯人に肉薄していくための様々な疑惑が事細かに用意されているので、かなり見ごたえアリ。

とはいえ、真相にどう絡むか一番謎だった伏線(写真屋で目にした左右逆に現像された写真)が、結局考えてみれば真相とは何の関係もなく、ただ犯人を欺くための手段として使われただけってのが、ちょっと残念。鮮やかな結末に見えながら、かなり苦肉の策的なラストに少々苦笑い。個人的には時計が指していた時間と、写真内の影のでき方の不自然さがオチになると思っていたんですが(それでも決め手になるかは疑問だが)・・・。

それとはしぼそがらす様やドラゴン・スクリュー様も指摘されているように、本筋とはあまり関係ない教会のエピソードや教習官とのやりとりのオモシロさ。さらには同僚の刑事とのやりとりも、シリーズ中の他の作と比べて多く比重を取っていて、作品に厚みがでている。シリーズ中でもかなり贅沢な作りと申せましょうか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ALOHA[*] 山本美容室[*]

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