[コメント] 皆月(1999/日)
私は未見だが原作が良いのだろう。だが、奥田瑛二と北村一輝の対極にある生き方を二人の役者が良くもまぁ上手に演じ、それをまた非情な冷たさの感触のあるカメラが冷静に撮った。
結果、素晴らしい残り香のある作品が出来た。
単に冬を舞台にしているせいなのか?カメラと役者の間にとても冷たい空気が存在している感じがした。突き刺さるような、真空のような冷たさ。
登場人物を三人に絞り込んだが故に、これでもかという位にそれぞれのキャラが書き込まれ、各人がそれに応えている様は「完成」された映画をさらに発酵させるかのようでもある。
吉本多香美は文字通り体当たりの芝居をした。ファンである私にとってはまた別の意味でも楽しませてもらった。「女優」とはここまでやるものなのかと改めて思い知らされた。ハヤタ隊員の娘が、またウルトラマンティガのあの娘が・・・・
望月六郎は『通貨と金髪』でもそうだが、通常の邦画の一線をあえて越すような過激な性描写をしたがるようだ。もちろん個人的にはそこが好きなとこでもあるのだが、アノ吉本多香美に何も放尿シーンまでやらせるのは如何なものか?私は大変複雑な気分である・・・
そしてどうでもいい役者なのだが、荻野目慶子。接続が2.3箇所はずれた女を演じさせると適役である。予算があれば大竹しのぶでもよかったのだろうが、今回もまた危ない女を好演していた。
そしてエンディング。海に沈み行く夕陽をバックに流れるのは山崎ハコ。そして「にっかつ」のロゴが・・・まるで名作『八月の濡れた砂』を想起させるようなエンディングにも完敗。
★5を点けてる割には、しょうもないレビューで申し訳ない。本当はもっと立派なことを書きたかったのだが、自分の筆力の無さに嫌気がさしてきた。
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