[コメント] 甘い生活(1960/伊=仏)
延々と続くモザイク風物語に、その画に、ただただ浸っていたいと思ってしまうフェリーニの分水嶺。前後、そしてその時の悲喜を含めた「人生は祭り」との思いと体験を、こんな風に表現できるのは、やはり彼だけ。「見たい」よりも「浸りたい」稀有な映画。
例えばどんなことでも起こりうるような現代の日本でも、仏像をヘリ飛ばしたりしたらそれなりの騒ぎになるだろうに、それが50年以上も前のしかもローマであんなことしたら、それはもう大変な騒ぎだったに違いなく、それ故に母国では大ヒットしたという話もよくわかるのだが、自分にとってはそんな昔のスキャンダルなどどうでもよく、ただひたすらに延々と続くこの美しく個性的な画に、まさにフェリーニらしい唯一無二の映画だと、いつまでもいつまでも浸っていたいと思ったのだった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。