[コメント] アルゴ探険隊の大冒険(1963/英)
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祖国を奪われた男が祖国を取り戻すために探検隊を編制し返還条件である黄金の毛皮を探し出す冒険ファンタジー映画。
祖国を取り戻すために長い大冒険に繰り出すという復讐冒険映画としてはかなりそそられる話だが、今ひとつ盛り上がりに欠けたまま終わってしまった。特にこの冒険のスチュエーションを造るのにかなり無理が感じられる。
主人公が祖国奪還のために戻って来た祖国で偶然親を殺したペリアスを救出し、彼の正体に気づかずに彼からの奪還条件として黄金の毛皮を探し出すという展開なのだが、ジェイソンは早い段階でペリアスの正体を神に知らされたのだから、わざわざコルキスまで毛皮を探しに行かなくても、早い段階で復讐が出来たのではないのかと思ってしまう。またラストでジェイソンの黄金の毛皮入手をクライマックスにしたため本来の目的であった祖国奪還というテーマが空中分解してしまい、ストーリー的にも消化不良な面が残った。
ジェイソンたちがコルキスに向かうまでの航海で次々に起こる困難を乗り越えるのに神の力ばかりに頼って自力で解決するシーンが全くないのも面白み欠ける。登場人物にしても主人公を含めた数十人はいるアルゴ探検隊のメンバーの得意能力といった個性が全く描かれず出番もほとんどないため存在感に欠けた。後半になって主人公を助けるヒロインの王女を登場させるのも唐突。
この作品の売りである青銅のタロス像や怪物などの特撮の出来はよいが、テンポが悪いのでかなり退屈に感じたのも残念。終盤でコルキス国王が切り札に使ったヒドラの牙から召喚されたのがガイコツ戦士の軍団だったのもインパクトに欠けた。
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