[コメント] 気狂いピエロ(1965/仏)
美しい映像と引用によるコラージュ的な台詞は今なお新鮮で色褪せない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前半がすごく良い。ものすごく良い。ただ、終盤があまりピンと来なかった感が強い。
前半にすごく魅力を感じたわけだが、それはまず台詞にあると思う。冒頭からジャン・ポール・ベルモントは浴槽の中でベラスケスについて子供に読んで聞かせている。この映画の台詞はかなり多くの引用からなっている文学的コラージュの様なものだが、これが面白い。ベルモントとアンナ・カリーナのやり取りは深みとユーモアが混じり面白い。自由や生死といったテーマに沿って語られるのを見ていると、会話を楽しみつつも、自由を求めるということや人生とは?なんてことを考察させられる。このベルモント&カリーナコンビは名コンビだと感じた(ベルモントがピエロと呼ばれると怒るのが特に好き)し、だからこそ後半になって触れ合いが減るに従って映画の魅力も薄れたのかもしれない。もうひとつ前半から魅力を感じたのは映像だ。夜に車を走らせるシーンでの光の入り方や南仏での美しい景色を絵として非常に生える。フランスの立地条件が良いのも加担している。
ただ、二人が一度離れてからが少し冗長。あくまで二人で旅を続けて行ってほしかったのが希望。人生とは何か?といったテーマをあくまで単純に二人の旅と交流から描ききってほしかった。
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