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[コメント] 北北西に進路を取れ(1959/米)

「こんな話、スパイ映画でもなきゃあり得ねえよ!」と思う。実際にスパイ映画だから文句つけようないけど。強いて言えば自覚的なところがイヤ。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 目の前に肉眼で歴代大統領のモニュメントが見えるのに、わざわざ望遠鏡で覗いて「テディ・ルーズベルトが俺のことを睨んでる」とかスッとぼけたことを言ってるソーンヒル(ケイリー・グラント)。このシーンが象徴しているのは、覗いているつもりでいる奴が覗かれて(見られて)いるという、この映画の構造そのものだ。

 「CIAでもFBIでもない」米諜報機関が編み出した架空の人物”ジョージ・カプラン”。彼の”存在”理由は、謎めいた行動によりヴァンダム率いる犯罪シンジケートの注目を集め、彼を監視したつもりでいるヴァンダムらを、逆に監視することにあった。だが、監視しているつもりの自分たちが、監視されていない保証はどこにある?

 そう、それを防ぐには、進んで自分をさらけ出す以外にない。だからヒッチコックは自分の映画に姿を晒すのだ。

 ・・・かどうか知らん。でもソーンヒルは、逃亡中、サングラスをかけている間は何度も身元がばれるが、(イブ・ケンドールに顔を褒められて)サングラスを外して以降は、自分から名乗るまで一度も正体がばれてないね。

75/100(03/10/25再見)

(評価:★3)

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