[コメント] ライフ・イズ・ビューティフル(1997/伊)
はっきりと示さない分、よけいに目を覆いたくなるようなファシズムの人類に対する犯罪の残虐さを際だたせている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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第二次大戦末期のイタリアを舞台に、前半はコミカルなラブストーリーに徹しながらも、その中に、当時のユダヤ人排斥の動きや、直立不動で敬礼する軍人など軍国主義の台頭、そして小学生の算数の問題に障害者を粛正すれば幾らの節約になるかという問題を出し、それをかけ算割り算の問題として妥当かどうかという点からしか見ないブルジョアなど、暗い時代の背景をちりばめ、後半から、収容所へ入れられたロベルト・ベニーニ一家の過酷な運命とその中で、イタリア的(とでもいうのだろうか)な明るさで子どもや妻を励まし続けたベニーニの深い愛情に感動した。
特に後半では、老人をガス室に送る際、脱いだ服を掛けた番号を覚えておけと言いながら次のシーンではその服が一カ所に山盛りに集められ、主人公と一緒に連行された少女が連れていた猫が悲しげに鳴いているシーンや、ナゾナゾ好きな医者が収容所で、おそらく「役立たず」を識別する仕事をやらされて、苦悩している有様など、はっきりと示さない分、よけいに目を覆いたくなるようなファシズムの人類に対する犯罪の残虐さを際だたせている。
それと闘いながら、命を賭けて家族を励まし守ろうとしたベニーニの生き様、そして、あなたはユダヤでないから列車に乗らなくてもよいと言われても、夫と息子と共にいく事を選んだニコレッタ・ブラスキの生き様は、かくありたいと心に残る。
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