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[コメント] この森で、天使はバスを降りた(1996/米)

くすんだセピアが、わずかな光に照らされ、少しずつ黄金の色を帯びていく。そんな風景と物語。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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ゆえにラストでいきなり緑が目につくありふれた風景に変わっってしまったのが、ちょっと残念。裸木の林ですら十分魅力的に見えたので。でも村が開かれればそうなるのが自然の流れなんだろうなぁ、なんて思いつつもちょっと夢から覚まされた気分(笑)。彼女が死んであの村にかかっていた魔法も解けたのかもしれませんね、役割を終えて。

(一人を除いて)村人たちもよそ者に対して、あからさまには排他的ではなかったので、とりたてて抑揚もなく話が進んでいった感じがしないでもない。けどドラマにそれほど神経がいかない分、たっぷり余韻をとった話運びも手伝って、彼女がじっくりと時間をかけて傷を癒し、生きる意味を見つけていく様を実感できたような気もする。

もし邦題を真に受けたとして。それでも人間でいるうちは本人には自覚がないものでは。天使がいかにも天使のような容貌で現れなくても、その人の何げない行動や言葉を通して、初めてその片鱗に触れることができる。そんな瞬間。彼女で言えば弱い立場の人間に差し伸べる手とか、自然に新たな価値を吹き込む姿とか。[3.5点]

(2002/9/2)

(評価:★3)

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