[コメント] 父の祈りを(1993/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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傍聴席の人々の満足げな顔に言い知れぬ気持ち悪さがあった。中盤、ジェリーたちに有罪判決が下される場面でのことだ。
例えばどうだろう?仮に、傍聴席に座るのが日本人で、告発されたのが北朝鮮の人間だったとしたら同じような結果が起こるのではないだろうか。
イギリスってのが怖い。これがどこかのアブナイ国でのお話だったら「ああ、やっぱりね、野蛮だなあ」みたいな感想しか出てこなかったと思う。しかし、このような先進国でさえ胸糞の悪い尋問が存在しているのだ(もっともイギリスだったからこそ再審・無罪などという理性的な結果が起こったのかもしれないが)。授業で聞いたのだが某アジアの国はちょっとした(かどうか知らんが)反政府活動や、ポルノで大儲けして逮捕された人間は即刻銃殺されるらしい。それらに比べれば・・・否、違うか。どっちもどっちだ。やっぱりこの映画で描かれた「権力」はまともじゃない。
現在、私はどんな職業を選択するかまったく決めていないが、いずれにせよ就職したら一生プロフェッショナリズムを忘れないように肝に銘じたい。そして強い権力を(万が一だけど)握ったら、誰かを無にしてしまうようなクソにはなりたくない。ここに登場してきた警官たちはたぶん「責任」という概念すら知らなかったのだろう。
それにしても映画ってメディアは凄いかもしれない。本作が実話かどうか知らないが、一つこのような傑作が有ればずっと世に残り、多くの観客によって鑑賞されるだろう。日本もどっかの政治家や官僚の腐敗を描いた、後世まで恥を晒し続けるような映画を作ってみたらどうだろう。警句として。あ、やべ、これいいアイディアかも!
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