[コメント] ガンモ(1997/米)
ソロモンとタムラーという二人の少年の猫殺し(だけじゃないけど)の日々と、クロエ・セヴィニーら三姉妹(こちらは猫がペット)、及び、ウサギの耳を付けたバニーボーイという三組の描写が中心。
そこに、その他雑多な、多くは1つか2つのシーンのみの登場人物や、手持ちでシェイキー、かつ粗い粒子の記録映像のようなものが挿入されて出来上がっている。
酷く猥雑で汚い画面が多いのだが、いや、それが基調と云っていいと思うが、時折り、吃驚するような洗練された映像、あるいは演出が出現して、瞠目させられるし、やっぱり非凡な才能を感じさせるのだ。例えば、自転車で街を走るソロモンとタムラーのカット。バニーボーイが道をスケボーで滑る、後ろ姿のシェイキーカット、あるいは、アコーディオンを弾くバニーボーイを最後にとらえる、トイレの横移動カット。あるいは、雨降る中、プールでキスするバニーボーイとセヴィニーらのシーンでは、BGMでオールディーズの「Crying」が流れる、このセンスもいい。ラストの太った女性が唄うのは、讃美歌「主われを愛す」だ。
ともあれ、主人公を一人選ぶとしたら、やはり、ソロモンでしょうね。タムラーとパパとのシーンよりも、ソロモンとママ(『天国の日々』のリンダ・マンズだ!)との描写が断然面白い。バスタブの中のソロモンのシーン、ママがスパゲッティを持って来て、ソロモンはバスタブの中で食べるのだが、食べながら、同時にシャンプーもされるという変なシーン!とにかく、彼の面構えが素晴らしい。一度見たら忘れられない、一瞬でその魅力にとりこになる顔面だ。
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