[コメント] トリコロール/白の愛(1994/仏=ポーランド)
ツンデレと理解と奇跡〜☆
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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結局のところ我々は自分の愛し方でしか愛せない上、自分の愛でしか他人の愛を測れない。それで自分だけが一方的に愛しているかのように錯覚したり、愛が等分出ないと嘆き「公平はどこに?」などと言ってしまうのでしょうね。じゃあ何をしたら安心できるの?そういった物語だったと思います。
夫キャロルの復讐は、妻の愛のレベルまで自分の愛を落とし、夫婦間の愛を平等にするためであったと思うのですが、企て(というか無意識的におこなったあがき)は奇跡的に成功します。正確に言えば、元から愛が平等に存在していたことをついに知るのです。他人の他人なりの愛を理解できる可能性は、キェシロフスキ監督がここで提示した「奇跡」なのですが、これは不器用で計画性のない方法で得られたものであったので、理解できる可能性を諦めさえしなければ奇跡は起こるのだよと言いたかったのでしょう。
本作は、大絶賛とか人生を変える威力は無かったのですが、片隅に置いておきたい内容で、だから☆4つですね。
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