[コメント] 東への道(1920/米)
メロドラマ女優リリアン・ギッシュの佇まいが決定付けられたSO-SO作品
名作『散り行く花』の主演二人を迎えて描くメロドラマの佳作である。グリフィスの映画は同時代の作品に比べるとすこぶるテンポがよく、シリアスとコミカルの対比的な構成も相俟ってそのストーリーテリングに淀みがなく上手い。そして何よりグリフィス=リリアン・ギッシュともいえる名花の生け方にひとつのスタイルを生み出したことは特筆ものである。映画の父であることは紛うことなき事実であるといえよう。ただし、ギッシュでありながらギッシュを超えたところに映画本来の味が凝縮されるところ、本作は『散り行く花』を凌駕する強さは見出せなかった。映画アベレージとしては確かだが。
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