[コメント] ロビンフッドの冒険(1938/米)
緩いアクションとメロドラマだ。だた、そうは云っても、そこは全盛期のハリウッド映画なのだから、面白いことは面白いのだが。
まずは、本作もヒーロー役と悪役のポテンシャルの違いに難がある。エロール・フリン演じるロビンフッドは、超人的な勇気と度量で描かれるのだが、悪役側のクロード・レインズ、ベイジル・ラスボーンともに頼りなく、このヒーローが負けるなんてことは100%無いとハナから思わせてしまう。多分、それで良い、というか、積極的にそういう前提でこしらえた作劇なのかもし知れないが、矢張り、活劇としては弱くなってしまう。また、ロビン・フッドは神出鬼没に敵方の宴会場や競技場や城の中に出没するのだが、このあたりもちょっと自由過ぎるなぁ。例えば城の中のオリヴィア・デ・ハヴィランドの居室へ侵入し、キスをする有名なシーンがあるが、こゝなんかも窓からの出入りの描写に関して云うと高低の出し方が足りず、驚かされないレベルなのだ。
さて、アクションシーンでは、捕えられたロビンフッドが救出されるシーンで、城門とそのロープを使った演出がよく出来ている。ロープを切ると城門が下り、逆に巻き取られるロープにつかまってロビンフッドが門の上に上がっていくという演出。あと、ラストの決闘シーンで壁に映った2人の影で闘いを見せる演出もワクワクする。
#配役等について備忘。
・弟王ジョンがレインズで悪役。その側近がラズボーン。ハヴィランドはノルマン人でラズボーンの許嫁。最初のパーティシーンではレインズ側の味方として登場する。
・フリンの相棒(ロビンフッドの甥らしい)はパトリック・ノウルズ。フリンは緑の衣装、ノウルズは赤い衣装。これはかなり変。
・前半は桃太郎のように(『七人の侍』のように)仲間が集まるパートになっており、丸太の上でロビンフッドとやりあう大男はアラン・ヘイル。ユージン・パレットは怪力の修道士タック。
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