[コメント] 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972/日)
ゴジラが人間の用心棒として完全に確立した作品。精悍なデザインのわりには、ガイガンの戦法は自分のハイテク(?)機能を応用していない。それと、「平和計画」について…。
「♪おっき〜いからだ〜に、か〜わい〜いめえだ〜ま〜」どひ〜、やめてくれぇ〜!!
ぜいぜい…気を取り直して。ガイガンのデザインの秀逸さは認める。だがその金属製らしいが与えるダメージは大きそうではない爪や肢でなく、なぜ必殺の回転ノコをもっと多用しないのだろう。いわばノコはガイガンのデザインの要になるものであり、その血煙を吹き上げる凄まじささえあれば、わざわざアンギラスやキングギドラを過去のフィルムの流用のために連れてこなくてもよかったのだ。
ついでに言えば、ギドラは他の怪獣とタッグを組むのには向いていない。単品だけで3匹の怪獣を相手にできることを考えに入れて欲しいものだ。
そして宇宙人。子供ランドを作って子供を洗脳する前に宇宙怪獣にゴジラらを殲滅させる考えはいかなる思想に基づいているのか判らないが、問題は彼らのいう「平和計画」である。平和なんて言葉を安直に使いすぎるのは、よく言えば世界の指導者たちへの皮肉、ほんとのトコロは何も考えていないのが真相ではあるまいか。「真の平和」などという欺瞞的な言葉があるが、独裁者に支配されようと、ゴキブリに支配されようと、戦乱がなければ世界は紛れもなく平和なのだ。主人公には叫んでほしかった、「正義なき平和は我々の求める平和ではない」と。
ゴジラに意志だの怒りだのを求めるのは好きではないのだが、今回自発的に用心棒を買って出たゴジラとアンギラスにはあえて問うてみたい。君らは平和を望んでいるのか?また君らにとっての正しい世界とは何か?と。
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