[コメント] 黄昏のチャイナタウン(1990/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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これまで作られてきたハードボイルド映画はそう多くない。それが“ハードボイルド”と呼ばれるに値するのは結構ハードルが高いから。
ではハードボイルド映画とはどんな映画か?定式がある訳じゃないのだが、主人公は基本的にルーズな探偵で、殴られっぱなしで、いつの間にか話が進行していき、最終的によく分からないオチに持って行くというような形になるだろうか?『マルタの鷹』(1941)とか『三つ数えろ』(1946)とか『動く標的』(1966)とか。まさしく前作『チャイナタウン』がそれに沿ってる。極めてバランスが難しいので、なかなか多くは出ないのだが、うまくはまると傑作が誕生する確率は高い。
ニコルソンはそんな事も考えていたのだろうか?この作品もとても複雑怪奇な話を無理矢理まとめて、『チャイナタウン』っぽさに持って言った感じでもあり。最初はあくまで普通の事件かと思われたら、前作との関連性に引き込まれたり(当然前作から続いて登場する人物も何人か登場してる)、水の利権を巡る前作から、今度は石油の利権になってるという関連もあり。初監督と言う事もあるのか、充分に勉強して本作に臨んだようだ。
ただ、本作の最大の見所はニコルソンではなくカイテルの方にある気もする。最初に登場した時は嫉妬深い嫌味な男に見えたのだが、話が進むに従い、妻にぞっこん惚れ込んでおり、純情が見えてくる。そうなると、凄くあの強面が可愛く見えてくる。ニコルソン、カイテルというごつい顔が突き合わせてるのに、物語がすっきり見えてくる。
荒削りな部分も多い作品だけど(特に合成の甘さは酷いもので、何これ?という部分も多々)、キャラの良さで持って行ったな。
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