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[コメント] 誓いの休暇(1959/露)

 戦争に縛られた小さな物語たち。前線からほんの少しさかのぼることで、ほんの少し解きほぐされてゆく。アリョーシャ自身の物語もまた。
にくじゃが

 戦場の場面のあと映る主人公アリョーシャのかよわさに少し驚く。まだ少年だ。もっとごつい青年かと思ったよ。おかげで恋も瑞々しくさわやかだ。そのほかの行動も本当に真っ直ぐ。戦車を二台も撃破した兵士はこんな少年で、そして過酷な戦場の後ろにはこんなにたくさんの感情が溢れている。その感情のすべてに戦争が影を落としていて、観ていて辛い。

 さかのぼれるのはほんのちょっとだ。あと二日、あと一日、“休暇”として期限がついている分、戦場に戻らなければならないという事の重大さを感じ、また冒頭のナレーションでその後が語られているので、それを思い出し切なくなる。アリョーシャに良き日々はもう訪れないのかと。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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