[コメント] ボーイ・ミーツ・ガール(1983/仏)
技巧がかえって青臭さを強めている。
★1.5
技巧が直接鼻にぷんぷんと飛び込んでくる。学生映画みたいだ、と思った。恐らく沢山やりたいことがあったのだろう。「隠喩感」がこれでもかといわんばかりに詰め込まれている。全てのシーンで「ここにはどのような隠喩があるのだろうか」と考えさせられた。この「なんか意味がありげな」感じというのは基本的に好きではない。監督に馬鹿にされてるみたいで。映画は意味探しゲームじゃないんだよ。隠喩・暗喩も程が過ぎると嫌味になるだけだ。だから私はゴダールが嫌いなのかな・・・。
晦渋であっても構わない。隠喩があっても構わない。ただ、単に技巧的なだけの映画だとそこには青臭さが出てくる。真の技巧派とは技巧を隠す/中和する能力を持ち合わせているのだ。例えば『去年マリエンバートで』はどうだろう。あれほど超絶に技巧的な作品でありながら、どこにも青さなどないだろう。実に成熟した映画である。それに比べ、本作はまだまだ技巧的にガキの映画であるように思う。
この映画には、表現を複雑難解にする技術はあっても、その技巧を隠すための努力なり能力が欠如しているのだ。
完成度は多分高いのだろう。ただ、耐えられないほど青臭いのだ。
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