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[コメント] ショート・カッツ(1993/米)

イーストウッドにあって、アルトマンに無いもの
地平線のドーリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それは、モラルではないだろうか。イーストウッドの場合は、守るにせよ守らないにせよ、男たちはモラルを巡って懊悩する(女は時と場合による)。だが、アルトマンの場合、モラルはない。つまり、アモラルである。アンモラル(非道徳)ではなく、アモラル(無道徳か?)なのである。 特に、この「ショート・カッツ」においては、男と女は互いに発情し、求愛し、そのすれちがいで揉める。本当に自分の欲望に忠実だ。 神による救済を求める者もなければ、人物たちは不用意に断罪され、懲らしめられることもない。ゆえに、その人物描写は観念などに歪められず生々しい。こうした大人の視線を持つ映画監督はなかなかいない。

(評価:★5)

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