[コメント] 座頭市(1989/日)
「俺様映画」ナンバー1
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
(2005年再鑑賞して全面更新)
この映画のデタラメっぷり、ひどいユガミっぷりは賛否両論、いや、本来否の対象でしかないのだが、その穴ボコを補って余りある愛しさがある。いや、ない。普通はない。正直シネスケは点数が高すぎる。だがこのヒドイ映画に愛しさを見出せるコメテが少なからずいることがシネスケのいい所だ。
これは勝新の「俺様映画」である。この「俺様」っぷりは尋常じゃない。 改めて観ると、座頭市の生れ・育ちや、やたら「母性への憧れ」的な要素が盛り込まれた脚本であることに気付かされるのだが、そんなの全然関係なーい。テーマでも何でもなーい。ただ単に「樋口可南子との濡れ場」、ただそれだけを正当化するためだけにテーマじみたことを語っているのである。 事実、勝新はこの映画についてこう語っている。
「へっへっへっ。樋口可南子のオッパイ触っちゃった」
柱を背に戦う市の姿(<柱越しだから姿は見えないんだけどね)という尋常ならざるショットに魅せられてしまったが最後、随所に見せる殺陣の切れの虜。座頭市カッチョエー!荒唐無稽でもカッチョエー!ストーリーなんかどうでもえー! 座頭市、いや、日本映画に於ける「チャンバラ」そのものの、完熟した果実が枝からこぼれ落ちるが如き「爛熟の輝き」。それがこの映画の魅力なのだ。
通常「俺様映画」は鼻つまみものなのだが、世界で二人だけそれを許された男がいる。勝新とトム・クルーズだ!
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