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[コメント] 男はつらいよ 寅次郎の休日(1990/日)

前作『ぼくの伯父さん』のラスト近く同様、本作でも後藤久美子は諏訪家の階段の上に立たされる。これも山田洋次のフェティッシュな趣味に違いない(ホンマか?)。
ゑぎ

 さて、本作のマドンナは前作から引き続き登場する泉−後藤久美子の母親役の夏木マリだが、いまいちマドンナとして映画を支える描き方ではない。本作もシリーズの中にあって寅と満男と泉の関係性を醸成する位置づけと云えるだろう。そういう意味で最も興味深い部分は御前様がさくらに「満男君にとっては寅は頼りがいのある伯父さんかも知れない」と云い、その後、柴又駅のシーンで満男が寅にセーターを贈る場面だ。受ける寅の科白は「困ったことがあったら風に向かって伯父さんの名前を呼べ。どっからでも飛んで来てやるから。」というもので二人の絆の強さを印象づける。

#配役の備忘など

・夢は平安貴族の寅。下男に源公。十五夜。ししおどし。旅の女で倍賞が登場。クレジットバックは人見明が釣り人。茶屋のシーン。女将さんは田中世津子。旦那が小島三児

・諏訪家の夜。博の読む新聞「ついにドイツも統一したか」

・二階の満男の部屋で泉と二人になる場面。下でやきもきする博とさくら。全体に倍賞は余裕の演技を見せる。

・秋葉原。照明器具の店。笹野高史。泉の父親の会社の同僚という役。

・江戸川の土手で三平−北山雅康が寅にあう。工場にマキノ佐代子

・泉が寅に抱きつく。泉を連れ出した寅が備後屋−露木幸次に「俺の娘よ。ざまあみろい」

・東京駅の泉と満男。満男も乗ってしまう。徳永英明の歌がかかる。

・大分の日田市。薬局。宮崎美子寺尾聰が泉の父親。祭を見に行く。

・旅館で4人、家族のふり。女中は『柴又より愛をこめて』で笹野とからむスナックのママをやっていた人。満男が「ポンポコリンの歌」を唄う。満男の酔っ払い演技悪くない。

・凧。正月。博の家。マキノ佐代子と工員の中村君−笠井一彦。三平もいる。

・エピローグでのバイはCD。ポンシュウ−関敬六が「シーデー」という。亀都起(きつき)神社。

(評価:★3)

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