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[コメント] お引越し(1993/日)

格調高い映像、扱うテーマが女の子、私が最近見た、邦画のトップ。でも悲しい、 切ない、寂しい。
トシ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







メイキングで相米慎二監督が、「一人の女の子のドキュメントが撮れていればいい」と言われていました。

関西弁で「お父さんは、私のこと好きなんか?」と聞くシーンがあって、 涙出そうになりました。広島ではたぶん「お父さん、私のこと好きなんね?」 と言うと思います。「家族」「親子」を自分なりに考えながら途中までは、見ていました。当然ながらこの映画は、「家族」「親子」を核に揺れ動く少女の微妙な心を描く映画だと思っていましたが、ラスト近くの祭りのシーンからわからなくなりました。

父親役の中井貴一がやり直そうと言い出したとき母親役の桜田淳子はもとのさやに収まりかけていたのに、少女はそれを拒否し、親からの 自立を模索?し京都の街、山、川をさまよい、琵琶湖でたぶん自己発見した、自分自身に「おめでとう」を叫ぶ。ラストシーンには父親の存在は台詞の上でしか 出てきません。

「父親」である私にとって非常に寂しかったし、やるせない気持ちでこの映画を 見終わりました。理解出来ない部分があったにしても、子役田畑智子の演技と 流麗なカメラワーク、みずみずしい映像によって心に残る映画になっていました。

(評価:★4)

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