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[コメント] 六條ゆきやま紬(1965/日)

ここは山水館か
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とツッコミを入れざるを得ない昼メロ仕立ての物語が貧しく、閉鎖的な田舎町というクリシェが煩く、結核少女大空真弓の件は全部余計で、自虐的なクライマックスは身の置き場もなく、最後は勝手にしてくれと我儘な患者に匙を投げる町医者の気分。これが松山善三かと疑うほど詰まらないホン。佐野周二の処に戻ればいいじゃないの。

本作の取り柄は、吉田喜重か勅使河原かという、シュールな撮影・美術を試みていることで、顔の判らぬ蓑傘の集団は『田園に死す』(74)より先に撮られている。木下惠介の弟子としては、こういうのもアリかなと思うが、しかしまあ、印象に残るのは大雪の田圃に転がり落ちる凸ちゃんや、料亭での佐野周二の鷹揚さなど、普通に撮られた件であった。

本当は2点でいいのだが、凸ちゃんの履歴に傷をつけたくないので加点。許されよ。

(評価:★3)

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