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[コメント] 血槍富士(1955/日)

長閑な人情喜劇とチャンバラ劇が見事に融合していて、どことなく山中貞雄を彷彿とさせます。また前半の旅の宿場シーンなどはどことなく清水宏的な匂いを感じたのですが、どうやら企画協力に彼と小津安二郎の名前があるようです。あー、なんとなく分かる!って感じです。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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色んな人々とのふれあいが、まさに"袖振り合うも他生の縁"を体現している感じ。とても風情があって観ていて楽しい。本当にタイトルの意味が分からん!と思ってしまうほど。でも最後まで観ると、このタイトル以上にぴったりなタイトルはない!と思えてしまう。決してかっこいい立ち回りではないし、侍もなんだかグダグダ。それでも刀とか槍の殺傷能力を痛感するというか、なんだかリアルで観ていてゾっとしたのも確か。前半とはガラリと豹変し、無残とも思えるラストを迎える。

でもこの前半と後半のカラーの違いが作品に起伏を持たせていると思ったし、それぞれの色を際立たせていたと思います。ほっこり出来るかと思えば、そう甘くはなかった…!という感じ。私的にはどことなくカルトっぽくも思える作品でした。面白かった!

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09.02.13記(09.02.12CATV鑑賞)

(評価:★4)

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