[コメント] あれが港の灯だ(1961/日)
このラストは一体何が言いたかったのか。主人公がどんな運命を背負おうと、その結果を知らぬ仲間たちに伝わるわけもない。シナリオライターの力量が疑われる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公は韓国人であり、周りの漁船仲間は船を拿捕され、友人を殺されて韓国人を骨の髄から憎んでいる。だが主人公が自己の出自を明かしたとき、親方や親友はあくまで主人公を信じる。
ところが船が韓国人の手におち、乗組員たちが慙愧の思いで船を捨てたとき、主人公は「半日本人」として船にとどまることを余儀なくされる(あるいは殺されたのかも知れないが)。仲間たちは口々に主人公を罵り、落胆し、新入りの船員が自分の命を救った主人公に感謝しても、親方は「あいつのことはもう口にするな」と吐き捨てる(?)。
実際、親方は何かを感じ取っていたのかもしれない。だがあの終幕では、皆の友情は裏切られたと受け取られても仕方がない。リアリズムを徹底するのは結構だが、せめて目で見て判る救いが欲しかった。時代が両国対立の時代だけに、尚更のことである。
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