元々ビデオで何度か見て、DVDも持っているのだが、劇場で見られる機会があったので見に行った。この映画の映像美を大画面で体感することができてとても良かった。この映画以降の宇宙シーンに多大なる影響を与えたと思われる宇宙シーンは、シンプルながら大画面で見ると本当にキレイで素晴らしい。クラッシック音楽と共に宇宙を舞うスペースシップの華麗な動きはバレエダンスのようだし、吐息のみが響く無音空間の宇宙の静けさはテレビ画面からの絵や音では味わえないモノがある。以前から思っていたことだが、この映画のシンプルな映像美を見ると、例えどんなに技術が進歩したとしても、これを上回る宇宙映像は存在し得ないと思う。そのくらいこの映画の宇宙空間はスゴイ。

　内容はいつ見ても深い。退屈と言えば退屈なのだが、考えれば考えるほど深さを感じ、再度見てみようと感じさせられてしまう。内容については自分の中で完璧な答えを見つけたくはないので文章としては表さないことにする。見るたびに、自分の頭の中で様々なことを考え、人と語り合い、また見るということを繰り返したい。この映画の本当の意味はスタンリー・キューブリックをはじめとした制作者達しか分からないものだろう。決して"面白い"映画ではないのに、ここまで深みのある映画はこの映画しかないだろう。