[コメント] 平成狸合戦ぽんぽこ(1994/日)
狸には優しい監督がスタッフには死刑施行人に見えただろう。
アニメには動画班と背景班があり簡単に言えばキャラクターなど動く物は動画、後ろの水彩画の様な風景は背景となっており最低2枚のセルを重ねて使用している。1秒間に約30枚のコマ送りをするので動画は簡単にしたいのが現場の意向だ。いろんな衣装や色を付けたキャラクターが画面いっぱいに動き回るのは自殺行為だ。その自殺行為アニメの代表格と言っていいのがこの作品。沢山の狸が動く、動く。途中、マンガの様な狸に変貌したのは案外期日に間に合わなくなったからか?百鬼夜行のシーンを見たときには「いい加減にしてやらないと死ぬぞ(スタッフが)」と声が出たほどだ。
話や言いたいこともわからんではないがその切り込み方はいかにも古くさい。どっちかというと『日本昔話〜予算100倍編』といえなくはない。
ところで最後のシーン、聖蹟桜ヶ丘辺りから都心を眺める夜景だが次作の『耳をすませば』の冒頭シーンと同じだ。狸を借りて政策批判をした高畑監督に宮崎監督はそこに住む人々の物語を持ってきた。どんな切り返しをするのかと思ったがカントリーロードの替え歌ですます辺りスマートな表現だった。
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