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[コメント] リラの門(1957/仏=伊)

このラストは予想外。トロくて酒飲みのロクデナシが、何故常識ある普通人の芸術家とつるんでいるのかが、腑に落ちた。テーマは‘人のことを考える’というところか。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このロクデナシ、ジュジュの唯一のよいところは‘人のことを考える’ことだ。そして、それが人間として当たり前だと思っている事だ。

だから、殺人犯が追い詰められて病気にもなり「もう死にてぇよ」と言った時、「死にたいと言われて放っておけるか」と看病を始める。そして、のめり込んで(?)行くのだが、逆に、殺人犯が「人の事は考えない。自分のことで精一杯だ」と言った時に、ジュジュは衝撃を受ける。精一杯は分かるが、人の事を考えないのは、人間としていけない事だろう、という気持ちだったのだろう。

昨今‘人の事を考えない’人間が多い。路上で倒れている人がいても、関わり合いを避ける為、私なんぞは10m先から進行方向を変えている。急に起き上がって、インネンを付けられるかもしれないからね。コワいんですよ。ホントに。

この映画とは時代が違うと言ってしまえばそれで終わりだが、ジュジュだったら・・・と考えると、ちょっと寂しいかなと自分自身でも思う。

解説レリーフによると、原作は28歳の無名の作家だという。こういう人が周りに居て、書いたのだろうか?

当時有名(だったらしい)ジョルジュ・ブラッサンスが3曲披露しているが、冒頭の‘わが心の森には’が良い。少し寂しい曲だが、しっとりとしたギター音が響く歌曲だ。

[追記]ウィキでジョルジュ・ブラッサンスを調べると、知る人ぞ知るという人だと分かった。あのムスタキにも影響を与えたらしい。失礼しました。

(評価:★5)

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