[コメント] 悪魔のような女(1955/仏)
オレが中学生の頃、老美術教師が授業を1時間潰してこの映画のストーリーを詳細に語って聞かせてくれたのだ。あんたはマルセ太郎か。
たぶん彼は若い頃にこの映画を封切りで観て、それはそれは大ショックを受けたんだと思う。その鮮やかな衝撃、驚き、恐怖を授業でガキンチョ相手に70年代から毎年語ってるうちに彼の話術はどんどん洗練されていき、80年代にオレが出会った時期にはちょっとしたマルセ太郎と化していた。他のクラスメイトのリアクションはよく覚えてないが、結末までバラされたのだから皆聞き入っていたのだと思う。同じクルーゾーの『恐怖の報酬』も彼の持ちネタのひとつだった。美術教師ってのは、やはりおフランスの文化が好物なのだろうな。
後年VHSソフトで『悪魔のような女』を観て、やはりオチには無理がありつつクライマックスの異常な緊張感、確かに凄い映画だなあとは思ったものの、美術教師の語った内容が細部まで極めて正確だったことの方がオレには大きな驚きだった。あの教師、80年代に老人だったから、もうとっくに亡くなっただろうな。浴槽に沈んでないことを祈るばかりである。
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