[コメント] 息の跡(2016/日)
これは何よりも抜群に面白い映画だ。多くの人が、この佐藤たね屋の店主のオジサンを見つけたことが勝因だと、出会いの才能(あるいは幸運)が、面白さのほとんど全てだ、と感じるように思うが、
それは確かにほとんど間違っていないだろうが、しかし、このオジサンと小森はるかとの関係性のあり方(ため口!)だとか、もっと純粋にショットの強さや繋ぎのセンスだとかも、このオジサンの面白さを増幅しているのだと確信する。映画のエッセンスは、被写体の持つ魅力だけでなく、被写体とカメラとの関係性を突き付けることなのだ。
さて、本作のエンディングの処理はとても秀逸で、分かりやすく才能を感じさせる部分だ。英語と日本語の字幕をつけた、静的なカットを連続させた後に、エンドロールに入る、これで静かな余韻に浸りながら終わるのかと思っていると、エンドロール後に、オジサンが、元気な、というか、大暴れするような場面を持って来るのだ。ラストカットの未整理な荒々しさも実にいい。
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