[コメント] バーバリアン(2022/米)
聞いたことありそうなタイトルと一見安っぽいパッケージデザインに騙されてはいけない。コアな映画ファンが喜ぶポイントを突きまくってくる痛快作だ。
まず、ホラーサスペンスとしての、骨子のストーリー自体は決して悪くもないが、とりたてて語るほどのものはない。
まずは三部構成というのが、観客の興味を途切れさせない上でも効果的。
脚本についても、リアリティーあるセリフが滅茶苦茶良い。 前半の、テスとキースがダブルブッキングした民泊の一軒家ではちあわせるところでの、二人の関係の変容具合が丁寧に、かつ、リアルに描かれている。
そして、第二部に登場するジャスティン・ロングAJがキャラクターとして最高過ぎる。 第一部の重い空気を跳ね飛ばす、能天気な歌(Donovan の "Riki Tiki Tavi")も良いし、それを運転しながら歌うAJがたまらない。
映像面でも、画面構成、美術、照明、80年代シーンでのポップな色使い&画面サイズを変えて広角カメラを使った映像、などなど、映像派のシネフィルが泣いて喜びそうなポイントを突きまくってくる。 だからこそ、二度目に観ると、新たな発見も多く、違った喜びを与えてくれる作品でもある。
コアな映画好きのほうがより評価しそうな映画ではあるが、気楽にも楽しめる。 題名が一般的過ぎるうえ、ポスター/パッケージデザインがおどろおどろしいので、ホラーファン以外を逃してしまいそうなのが、勿体ないポイント。
劇伴の使い方などは、ジョーダン・ピールっぽさもあるが、ジョーダン・ピール作品より肩肘張らずに観れる。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。