[コメント] ドント・ウォーリー・ダーリン(2022/米)
酔いにまかせた砂漠のドライブ。スパイラル状に山頂に続く道。俯瞰で捉えたシンメトリで秩序だっ群舞。そんな円運動が"閉鎖”の象徴として描かれる。この空間の「仕掛け」や「たくらみ」は観客の想像に託され明かされない。私たちも物語の内側に閉じ込められるのだ。
家父長主義と婚姻制度は、ともすれば内向きのベクトルが過剰に働き「互いに互いを守る心地よさ」という幻想を生んでしまうようだ。ときに心地良さへの過信は真実を隠蔽してしまう。だから巧妙な支配者は被支配者の"心地悪さ"を最も警戒する。幸か不幸か私たちは、より心地よい世界を求めながらも、心地良いだけの世界をいまだ幸いにも獲得していない、という矛盾。
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