愛する息子がゲイであることを、母として受け入れられないうちに、息子は急逝してしまう。その息子が遺したゲイバーが危機を迎えていることを知り、再建に乗り出す母メイベリン。この役名は、マスカラのメーカーの名前由来なんでしょうか？

しかし、どうにもならないような「危機」は少なく、どちらかというと、みんなの「母親がわり」となって、愛情を注いでゆくことが中心のストーリー。実はドラァグィイーン（「ドラッグ」じゃないんだよね）の一人が、「ドラッグ」を常用しているのを見て、真剣に止めるメイベリン。息子のリッキーの命を奪った薬物、救えなかった息子への思いが感じられた。アメリカの映画って、薬物を使用しているシーンにあふれている。それを止める場面がある映画って、案外少ない。

ルーシー・リュー（久しぶり）演じるシングルマザーを救うシーンも、なかなかの貫禄だ。

劇中の歌も洒落ていてイイ。息子の恋人ネイサンの作る歌も素敵だ。ピアノも弾ける半裸のバーテンダーと歌うデュエットがナンバーワン。（「愛の翳り」もいいけどね）

比べて、彼女の「夫」がだらしなく映ってしまう。彼にも彼なりの思いはあっただろうに。