土方歳三が好きで五稜郭を愛する僕としては、原作(司馬遼太郎著)を読むのが大儀なため放置していた作品の映画化とあって期待は増したが、相性が悪い原田監督と聞き映画館には足を運ばなかった。

邦画なのに字幕付きで観ないと会話の殆どを聞き取れないという苦い経験を過去に『日本のいちばん長い日』や『関ケ原』で経験済みだったからである。

案の定、日野の地元言葉も相俟って字幕無しでの観賞を断念。

再度字幕付きを再生する頃には飽きていた、というのが正直な感想。

画作りから物語運びまで、全てにおいて退屈なんだよ、原田眞人の作品は。

ドラマ的には芹沢鴨暗殺以降、池田屋事件、鳥羽・伏見の戦いなどはそこそこ観られるが、どう考えても時間の配分がおかしい。

お雪と土方が互いに惹かれ合った心の機微が一切省略されており、こんな訳のわからん恋愛要素なら割愛すればよかったのに、と思ってしまう。

近藤に指摘されるまでひょこひょこと歩く土方にゲンナリしたこと、局中法度の切腹のくだりは笑わせてもらったことを追記しておく。