コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 痛くない死に方(2021/日)

さすがに高橋伴明、かっちり作られている。本作のシノプスを大雑把に分けると、患者・下元史朗とその娘・坂井真紀の話、患者・宇崎竜童とその妻・大谷直子の話、
ゑぎ

 その間に先輩医師・奥田瑛二の教育がはさまる、という構成と云っていいだろう。医療現場を舞台としているので、どうしても説明セリフが多いのだが(特に坂井と奥田に多い)、映画として許せる範囲にとどめている。後半の宇崎と大谷の夫婦がカッコよく、特に宇崎のべらんめえ口調・セリフが面白いので、プロット展開としても盛り上がる、上手い構成だ。しかし、それも、前半の下元の鬼気迫る演技があってこそだと思う。本作は、明確な(分かりやすい)一人の医師・柄本佑の成長譚だが、それを支えているのは前半の下元のパートだ。

 とは云え、後半の柄本は安心して見ていられるということもあり、矢張り、縁側で、宇崎らと打ち上げ花火を見るシーン辺りが、開放感もあり、一番良いシーンに感じられる。ラスト近くに、唐突に挿入される木遣り唄の場面も、見応えのある画面造型だ。尚、前半も後半も、患者が寝ている部屋の昼間シーンは、窓からの白い光が目立つ。日本映画の撮影者って、なんでこれやるんだろ。ありきたりなルックになると思うのだが。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。