[コメント] ある画家の数奇な運命(2018/独)
前半の、義父との運命のあたりはハラハラ、ピリピリと、空気が張り詰めた映画でした。しかし、私は気づいていなかった。この映画は3時間超の、超長尺だったということ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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愛する叔母の悲しい別れと、ナチスドイツの支配から、戦後のソビエトの支配。違う2種類の支配の中で、運命の出会い。画家の主人公の描く「絵」がもつ意味も、時代によって変わってゆく。そういった張り詰めた前半が過ぎ、後半は西ドイツに二人そろって亡命する。そこからが「長い!」超長い。
西ドイツの美大に入学してからの内容は、半分にカットできると思う。美大教授と、隣の部屋の学生仲間だけでいいよ。
一番肝心な、義父・ゼーバント博士と主人公クルトとの関わり。博士は、最初はもっと、婦人科医だけあって、命に対して重みを感じるような、「善人」の範疇にはいる人かと思ったんだが、最初のクルトの叔母エリザベトへの処遇はもちろん、その後も、すごく特権意識の中で生きてる人。ゼーバント「博士」と呼ばれることにこだわり、その地位と権力を鼻にかける人。ソ連の将校の奥さんの難産の時だけ、その経験から命を救ったが、それも保身の為だったんだろう。一番強烈だったのが、わが娘に、勝手に堕胎手術を施すところ。
だから、どこかで彼に「罰」が下るシーンを期待した自分がいた。どこかでクルトと娘に、叔母エリザベトの件が露見するんじゃないかと思ったが、そうはならず、後半は、西ドイツでの「芸術とは」というテーマの映画になってしまった。美大の教授が心優しく、「人を見抜く人」だったのが救い。
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