[コメント] グレース・オブ・ゴッド 告発の時(2019/仏)
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「スポットライト 世紀のスクープ」が「メディア側」から描いた映画だとすれば、今作は「被害者側」から描いた映画といえよう。
137分と、やや長尺な映画だが、「導入部」とか「序章」とか全く無しに、いきなり本題から始まる。そして進んでいくと「主役が4人」いる映画とわかる。医者の男は別にして、他の3人は「生々しい」行為が語られる。子を持つ親なら、耳を塞ぎたくなるような内容だ。そして子供たちの中では「公然の秘密」だということも。
実際の事件をもとに製作され、神父の名は実名。現在も裁判で係争中らしい。別の映画でも思ったが、フランス人気質として「議論が好き」なのかな?と思います。そして戦う相手が「教会」ということで、「沈黙を破る」ことがどれだけ重大なことかも描かれます。
アレクサンドルが「話せるようになるまで30年かかった」というのも頷ける。彼もリヨンに神父が赴任しなければ、口を開くこともなかっただろう。そしてその段階で、枢機卿が神父を解任していれば、裁判に発展することもなかったと思う。「沈黙を破る会」が枢機卿まで断罪を求めることになったのは、ちょっとびっくり。それに積極的だったフランソワが、「パイロットを雇う」とかの話は、普通に引いた。そして彼の兄も「被害者」だったことが終盤で描かれる。
神父自身は当時も今も「認めている」のに、なんで誰も何もできなかった?と思う。
「悪事を暴くメディアの活躍」を描いたハリウッド映画と、「被害者たちの葛藤・苦しみ」を中心に描いたフランス映画。それぞれに「らしさ」は出ていますね。
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