大原がアップ多めでいい。可愛いと云われて「皆さんそう仰います」。看護師ってあんな気楽になれるものなのかよく判らんが。木村俊恵はイマイチだが、そんな婦人もいるのだろう。緑は中盤に薄化粧になってドキッとさせられる。大原との年齢差を強調する演出なんだろう。強姦に抵抗しようとしても「力が抜けちゃうの」みたいな諦めは定型だが、男には永遠に判らないニュアンス。動機は「はずみ」なのよと語られる終盤もそんなものかと眺めさせられた。そして涙目で夜景に浮かぶ街路樹を見上げる緑のラストが抜群だった。

梅宮の春川ますみのヒモ３年目という人生は憧れるような忌まわしいような。口八丁の造形は相変わらず見事なものだ。喫茶店の赤電話で女に仲直りの電話しながら、傍にいたウェイトレスに愛撫を始めるショットが爆笑。貨物車への影で示される地回りとの喧嘩は格好いいショットだった。エロ爺かと思わせておいて警察手帳出す花沢徳衛（小沢昭一からキャスト変更があったと思われ）も素晴らしい。ライティングの鮮やかなバーのセットも記憶に残り、肩越しにこっちを見ている顔の連発がいいリズムをつくっている。