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[コメント] 金環蝕(1934/日)

五角六角関係と偶然の再会からなる久米正雄の「通俗」メロドラマで、清水の若干の映像のお遊び含め、後代がパロディにしたがるサイレントのロマンスの典型の趣。川崎弘子の眉毛がとても印象に残る。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







桑野通子栄光のデヴュー作。モテまくる藤井貢が羨ましい作品で、金光嗣郎は田舎で川崎弘子を、続いて都会で桑野を藤井に取られる。このパターンであと七つ八つ続ければいいコントになっただろう。メロドラマとはコントと背中合わせである。

都会へ出る「そんな野心はもうとうの昔の話ぢやありませんか」との達観を語る藤井が、すぐ都会へ行っちゃうのがバカバカしく、轢かれたタクシーの仕事を手伝うようだが助手席に座っているだけなのはなぜなんだろう。最後は藤井、川崎を殴り過ぎ。

清水のお遊びは男ふたり樹にぶら下がる下半身とか、水車小屋での告白における水車に字幕映すショットとか。殴られて直ぐ泣く突貫小僧という伝統のギャグも踏襲されている。当時の自動車の速度メーターが最大100キロまでの表示と確認でき、「強力わかもと」も科白で語られる(宣伝なんだろうか)。

(評価:★3)

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