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[コメント] ウォー・ゲーム(1983/米)

見所の大部分は実はオープニングの10分程度で終わってしまってるんですが、実際は本作が映画に与えた影響はかなり大きいものがあります。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 一言で言ってしまえば、極めて皮肉に満ちた作品。

 冒頭での核ミサイル発射訓練の危機感溢れる描写がなかなか凄く、味方に銃を突きつけるような極限状態が描かれていた。これ以上ないほどの掴みだったが、それから場面は一転。いきなり高校。しかもオタク学生の日常が(笑)

 監督の目的はそこにあったのだろう。冷戦構造に、コンピュータが入り込むことによって、何も知らない人間が地球滅亡のキーを握ってしまうと言う。しかし、あんな奴に自分の命が握られたくないぞ。

 設定的に言えば、当時のネット技術では実際にはそう言うことはこんな簡単には起こり得ないけど、ここで悪意ある厭世的なプログラマーを介在させることでそれを可能としているわけか…リアリティはないけどね。

 そしてラストに向けての怒濤の展開…ストーリーのメリハリはよくついてる。緊迫感やテンポも良い。惜しむらくは今ひとつキャラクターに愛着が湧かなかったことくらいか?それがちょっと勿体ない。

 確かにワンアイディアで引っ張った作品だけど、健闘したと思う。それに少なくとも、この映画が後々の映画界に与えた影響とは、決して無視できるものじゃない。

 映画界の方向性を変えた重要な役割を持つ作品だとも言える。

(評価:★3)

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