[コメント] ボーダー 二つの世界(2018/スウェーデン=デンマーク)
ティーナがもし醜い容姿でなかったらこの物語は成立しなかっただろうか? 彼女の台詞に「虐められていた」とあるが現状仕事仲間には信頼され、同居人もおり、社会から阻害されている様子はない。彼女自身がコンプレックスを抱いているというレベルなのだが......。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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トロルだから醜い。
トロルだから迫害されてきた。
トロルだから孤立している。
トロルだから、で説明されている部分の大部分がティーナにおいてはあまり当てはまっていないような気がした。
彼女の嗅覚は仕事面で活かされており職場の仲間からの信頼も厚い。あまり悲哀を感じない。
外見が人並み、では不都合な点がなにかあるかと言われたら「?」がつく。
トロルのアイコンとして「醜い」が必要かどうかは少し疑問が残った。
調べてみると北欧ではトロールは総じて醜いらしい。
であるならば、少し知識がある方には彼女の容姿と有する特殊能力からトロルであると早い段階でネタバレしているのではないだろうか?
ヴォーレと出会い、ティーナは自分の出自を知り、他人と違うことに対するコンプレックスが取り除かれる。
と同時に「性が異なっていた」いう衝撃の事実も判明する。
ティーナのペニスが勃起し、ヴォーレと性交を行うのだ。
このシーン、ティーナが絶頂に達した際の咆哮は本作品最大の見せ場だろう。
男性器としては少し小さい気もするが。
なお、スカンジナビア半島におけるトロルは小人の妖精とされ、女子供をさらい財宝を盗むらしい。
この設定は本作でも引用されている。
トロルといえばドラゴンクエストの敵として現れる棍棒を持つ獰猛なモンスター、くらいの知識しかない僕は楽しめたが、北欧ではネタバレ要素満載なのではないだろうか?
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