[コメント] アイリッシュマン(2019/米)
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遅ればせながら話題作をようやく鑑賞。だって長いんだもん。3時間半超えはなかなかヘビーですからね。たとえ良作でも体力が必要ですし、引き延ばしてのやっと見れたという感じです。
Netflixからアカデミー候補作がバンバン出てきて、中でも本作の注目度は高かったですよね。 なんて言ったってスコセッシにデニーロにアル・パチーノと来たらマフィア映画の一時代を築いていった黄金トリオなので、いや、ジョー・ペシも入れたらカルテットか。まあその手のジャンルに詳しくはないですが、聞くだけでワクワクするキャストが揃っています。
本作はジミー・ホッファ失踪事件という実際の出来事に基づいて作られています。そのことについては全然知りませんが、いつもの華やかなマフィア世界の入りとは異なりますね。 老人ホームとか会って早々に死因が表示されるとか、なんというか死とか老いとかいう終末を想起させるんですよね。だからこその虚しさみたいなものが全編を通して感じましたね。
上映時間が長いので細かいことまで言及してられませんけど、ジミーのくだりとかではなくてそれとは別のマフィアとしての栄枯盛衰のはかなさみたいなものですかね。終盤のやめてあげて感は顕著でした。 特にフランクに話を聞きにくる警察のシーンはいたたまれなくて、それでもフランクは自分を通そうとする感じがマフィアらしさなんでしょうけど、そのかっこよさが従来の物から感じるそれとは違うんですよね。今までの作品だと華やかさもあるからそれを守る残された側もかっこいいんですけど、本作は異常なまでにペンキを塗る描写とかをあっさり描いてますし、娘とのくだりも然り、今までのマフィア物とはまた違った、スコセッシの死生観漂う作品だったように思えます。
にしても長い。この手の作品にありがちなどうでもいいエピソードとかやり取りとかがもはや冗長に思えてならず、かっこいいマフィア世界に憧れを描くみたいなことは本作においてはあり得ませんね。別にそれは良しとして、作品として気軽に楽しめるかというと、ちょっとそれとは別かなと思います。
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