[コメント] 木石(1940/日)
愚かしいメロドラマで赤木蘭子の熱演報われず。処女性の尊重や「相手はたかが女ですよ」なるトンデモ科白に時代の常識非常識が交錯する様は風俗資料的価値があるだろう。理事長の胸像はジャイアントロボを想起させ、22歳の木暮はハナマルキ味噌を叫ぶ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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太古の昔からある出生の秘密系メロドラマの縮小再生産は退屈だが、この山場なしには赤木がただのヒス女で終わった訳だから、彼女の役柄にとってはこれでも救いではある。これで★1が★2になった。
本作唯一の美点は木造病院の詳述だが、それでも短編小説を間延びさせて二時間にしている感が強く要はダレている。実験用モルモットは今日ではどう評価されるのだろう。
最も興味深い人物は金満篤志家の小林十九二で、何している人なんだろう、詳述してほしかった。木暮実千代は当時22歳だが、骨格美人ゆえ幾つでも同じ顔をしているものだ(赤木も二十代だったらしい)。木暮を見た途端に脂下がる夏川大二郎は気色が悪い。この医師が偉そうにしているのも時代か、今でもこんなだろうか。彼の存在がドラマを猛烈に退屈にさせている。タイトルは「ぼくせき」と読む(劇中科白にあった)。
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