ジュディ・デンチは、やはり威厳があります。どの映画でもこの方が出るだけで、場が引き締まります。御年７４歳。いつまでもお元気でいらしてください。

とはいうものの、この映画のヴィクトリア女王の「最後」ではなく「最期」というだけあって、最晩年の女王の姿が描かれます。そこにあらわれたインド人の「先生」っぽいという（ふつうの）男。「老いらくの恋」なんていうと本当に安っぽいのだが、恋する女王は「乙女」になった。しかし「女王」なので、なんでも命令は絶対です。そのあたりの出来事をどう見るかによりますが、そのなかでもはっきりとわかる「大英帝国」と「その植民地」の差。そこがやや雑だったが、「そういう時代だったんだな」だけでは片づけられない、むなしさを感じます。